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Gスポーツ☆サポーター特別座談会

2016/12/28

Gスポーツ☆サポーター特別座談会
『2016年群馬のスポーツと
日本のサッカーを言いたい放題!』
座談会メンバー紹介
森氏…弊誌でコラム『Jリーグ見聞録』を執筆中。群馬県生まれ群馬県育ち。水戸、浦和、横浜、府中と渡り歩いた元転勤族。数年前に転職し現在は高崎市に定住。ザスパクサツ群馬とFC東京サポーターを兼務。以前住んでいた、横浜F・マリノスや浦和レッズ、栃木SCの動向にも注目中。
ハロさん…40代で2児のパパ。高崎市のラグビー名門校を卒業。サッカーの他、プロ野球NPBの広島東洋カープのファン。
笹橋さん…某TV関係者の代役で隣県の埼玉から急きょ参戦。埼玉県にあるJリーグチームのサポーター。思いの他、辛口コメントに周囲は騒然!
ラルフ…自称「日本サッカーの将来を常に考える苦労人」というGスポーツサポーター。年間サッカー観戦は30試合を超える。

2016年の群馬のスポーツ!
――まずは2016年の群馬のスポーツを総括してください。
ラルフ/何と言ってもリオ五輪の塩尻和也選手(陸上競技・3000mSC/伊勢崎清明高校→順天堂大学2年生)でしょう。最後の最後で代表入りを果たしました。昨年末のGスポーツ(2016年新春号)のインタビューで本人が「東京五輪を目指したい」と言っていましたが嬉しいサプライズとなった。
森氏/陸上競技の総集編(『群馬の陸上競技2016-2017総集編』)にも塩尻選手のインタビューが載っていました。伊勢崎清明高校時代の指導者のコメントが興味深かった。
ハロさん/でも、群馬的には盛り上がらなかったね。8年前の北京五輪の時のソフトボールフィーバーには及ばなかった。
笹橋さん/メダルを獲れなかったからでしょう。埼玉はメダルが13個とか15個とか言っている。
ハロさん/なんで、数字が微妙に違うの?
笹橋さん/メディアによってカウントの仕方が違うんじゃない。
――群馬県で広報する『群馬県選手』の定義は決まっているようです。群馬県の中学校、高校出身者、または現在群馬県内のチームに所属していることが条件です。
笹橋さん/大学生は含まないんですね。
森氏/大学生を入れちゃうと東京が圧倒的に多くなるからでしょう。
ラルフ/7人制ラグビーもNZを破るなど、世界を驚かせたけど、ラグビー関係者以外のインパクトは薄かった。
森氏/やっぱりメダルですね。特にリオ五輪は金メダル獲得が多かったから。でも7人制ラグビーは本当に面白かった。
ハロさん/試合時間も短いので、お茶の間のファンには、楽しめるかも?
ラルフ/いや、お茶の間だけでなく、スタジアム観戦にうってつけの競技だと思う。毎年、春に東京で国際大会が開催されるけど、是非観戦したいスポーツの一つ。雰囲気もアットホームで『スクール☆ウォーズ』のような悲壮感はないね。
笹橋さん/リオ五輪にも出場したパナソニック ワイルドナイツの福岡堅樹選手は日本ラグビー界史上最高の選手だと思う。彼の練習やプレーを毎週のように見られる群馬県民が羨ましいね。

先制点を奪われても負ける気はしなかった
――ザスパクサツ群馬についてはいかがですか?
森氏/スタートダッシュは見事でした。『首位独走!』は嬉しかった!
ラルフ/首位独走はしていないでしょう(笑)。私は最初の2試合見たけど「いかんせん相手が弱かった」という印象。正直、首位と言われてもJ1昇格の現実味は感じなかった。
ハロさん/ロケットスタートを決めた割に成績は物足りなかったけど得点力が増したのは良かった。
森氏/先制点を奪われても負ける気はしなかった。勢いに乗れば2、3点取れる雰囲気はあった。その分、失点も多かったけど。
ハロさん/2015シーズンに続き質の高い大卒新人選手を獲得したスカウト力は評価できる。
森氏/2015の江坂(任)選手や2016の瀬川(祐輔)選手のようにJ1に選手を輩出することが中期的に見て新人発掘に大きな効果をもたらすと思う。
ラルフ/J1昇格の可能性を有す6位以内に入るには相当なチャレンジが必要。果敢にチャレンジした北九州は最下位でJ3に降格してしまった。そのリスクをファンやサポーター、そして県民が受け入れるかどうか?
ハロさん/J3に落ちても一年で戻ってくればいいんじゃない。その位の忍耐力はあると思うよ。
ラルフ/J3に落ちて本当に一般の人が応援し続けてくれるのか?果たして一年で戻れるのか?そんなに甘くないと思う。J1からJ2に落ちるのとは訳が違う。G大阪や大宮、C大阪にしても資金力があるし、ある意味『J2陥落』はチームの膿を出して、一から始めるキッカケになる。だけど『J3降格』に同じ方式が当てはまるのか?私は疑問に思う。
森氏/当面は『J2残留』がノルマでいいと思う。それよりも将来日本代表に呼ばれるような今は無名な選手をどんどん発掘して欲しい。笹橋さんはどうみているの?
笹橋さん/江坂選手、瀬川選手と、2年連続して大宮に人材を供給している部分では感謝しています。

リオ五輪の応援放送に物申す!
――ここからは群馬という枠に限らず2016年のスポーツについてお話下さい。
ラルフ/まず、リオ五輪のTV中継について物申したい。民放はスポンサーを獲得し満足させなくてはいけないので仕方ないにしても某放送局は酷かった。あれは完全な(日本の)応援放送!
ハロさん/冷静に実況、解説をしようとするスタンスが見えない。番組構成も超ドメスティック、まるで「日本にしか興味がありません!」というスタンスが日本国民として恥ずかしかった。
笹橋さん/日本にも海外出身の人は住んでいるし家族の中に外国人がいるのも珍しくない。「スポーツに国境はない」「対戦相手に尊敬の念を持つ」「ノーサイド精神」があまりにも欠落した中継が視聴率何パーセントと聞くと「この国は本当に大丈夫か?」と不安になる。
――この『応援放送』はメディア関係者の間でも賛否が分かれるところです。
森氏/僕はスポーツ全般大好きですけど、別に、日本人だけを応援しているわけじゃないです。W杯やクラブW杯などは平気で日本以外の国やチームを応援しています。
ラルフ/森氏さんは長野五輪前にスキーの回転のアルベルト・トンバとか応援していたよね。それにF1でもセナやマンセルを…。

TVで伝えられるイメージと会場の雰囲気って相当ギャップがある
森氏/昔はみんなそうだった。F1でも一応「がんばれ!鈴木亜久里!片山右京!」と言っていたけど、本音では、セナvsプロストやマンセル、シューマッハーの方が興味があった。
ハロさん/いつから応援放送になったんだろう。
ラルフ/ドーハの悲劇の後のW杯フランス大会から顕著になった気がする。極付はバンクーバー五輪の浅田真央vsキムヨナ。
ハロさん/TV局のお偉方は世界のトップアスリートを観たいとは思わないのかな?
ラルフ/高いチケット代を払って試合会場に足を運ぶようなファンは世界のトップアスリートを見たがっている。バンクーバー五輪前に東京で開催されたフィギュアスケートのグランプリファイナルでも会場で最も声援を受けていた選手はキムヨナだった。F1でも、佐藤琢磨や小林可夢偉が走っていた時代でも、フェラーリやマクラーレン、ルノー、BMWのウエアを身に付ける人が多かった。TVで伝えられるイメージと会場の雰囲気って相当ギャップがある。
森氏/TVも好きなものを観たければ有料放送の時代ということだと思う。無料放送は、スポーツへ関心を持ってもらう、あくまでもさわりの部分ってことだと理解している。
ラルフ/某放送局は強制的にお金を取っていますよ!
森氏/おっしゃる通りですね(笑)。
ラルフ/もちろん、今のままでいい、という声もあります。私の友人も声高に「今のまんまでいいんじゃない」と言っていました。ちょっと興奮しちゃいましたけど、言いたかったのは、応援放送が多い中「某放送局だけは公平にスポーツ中継をしてほしかった」ということです。

J1昇格プレーオフは残酷物語
――最後に2016年のJリーグについて語っていただきましょう。
森氏/返す返すも栃木SCがJ2に昇格できなかったのが残念でなりません。真の北関東ダービーがまたもお預けとなった。「入れ替え戦で敗れたんだから仕方ない…」と自分を納得させたけど、その後、Jリーグから「2017年はJ2とJ3の入れ替え戦を無くし、J2の21位は原則自動降格」との発表があったのを聞いて、より悲しみが増しました。
笹橋さん/ですが、J2でも志の高いサッカーを標榜していた北九州がJ3に降格しました。J2にとって大きな損失だと思う。その部分では金沢のサッカーも魅力的だった。
森氏/降格を免れた金沢サポーターが大喜びしていたけど、彼らに言いたい「君たちは何も成し遂げていない」「赤点取ったけど追試でなんとか留年を免れただけ」と…。
ラルフ/Jリーグの順位決定や昇格システムも、ちょっと理不尽だよね。
笹橋さん/特にJ1昇格プレーオフは残酷物語。松本は勝点を84積み上げながら昇格できず。しかも松本が敗れたニュースは『岡山の下剋上』と伝えられ、完全に面白がられていた。

ならば『J3降格プレーオフ』を開催して欲しい
ハロさん/確かに松本にとっては残酷だったかもしれないけど、私は、J2で2位以内に入れなかったチームが『昇格プレーオフ』とか言って盛り上がっているのが不思議。もっと、J1のチャンピオンシップに全ての注目を集めるべきだと思う。それにJリーグはチーム数が多い。プロスポーツとして一定のクオリティを担保するのであれば、J1は現状より2チーム減の16、J2は4チーム減の18、そしてJ3のチーム数を増やすべき。これによりJ1は4試合少なくなるから日程も組みやすい。「ホーム2試合分の減収をどうするんだ!」との声が出そうだが、そこは、ACL出場やカップ戦での上位進出で賄えばいい。
ラルフ/私もハロさんの意見に賛成です。2016年で言えば福岡と湘南の勝率の低さは酷かった。
森氏/『J1昇格プレーオフ』にこれだけ残酷物語を押し付けるのであれば『J3降格プレーオフ』を開催して欲しい。21位から20位、19位、18位のチームが参加して、勝てば抜けられる、逆トーナメントを行う。2連敗で18位のチームでも降格してしまう。
ラルフ/それは面白いアイデアだね。
ハロさん/残酷物語は降格にこそ相応しい。

チャンピオンシップは映画『ライアーゲーム』
ラルフ/J1のチャンピオンシップのシステムは過渡期ということもあり分かりにくかった。
森氏/浦和はやはり勝てなかった。僕はクラブW杯の出場権を浦和に与えて欲しかった。
笹橋さん/いや『世界を驚かす』ためには、一番勢いのあるチームが進出すべきなので、結果的に鹿島で良かったと思う。
ハロさん/3チーム参加の変則トーナメントが分かりづらい。本当に浦和にアドバンテージがあったのか?
ラルフ/結論から言えば無かった。むしろ2015年よりもハンディがあった。私はチャンピオンシップを映画『LIAR GAME(ライアーゲーム)』のようだと悟った。表向きに語られていることと本質が異なるところが似ている。このことにいち早く気付いたのが鹿島の小笠原選手。その理由は後で述べるとして、このシステムの最大のポイントはシードされていない2位3位チームが2勝1敗(川崎の場合1勝1分1敗)で優勝できるということ。
笹橋さん/3連勝する必要がないということ。
ラルフ/力がほぼ同等と仮定して、サッカーの世界で3連勝はとても難しい。ところが、3試合で1つ負けてもいいとなったら、話は別。チェアマンは年間勝点1位の浦和に優位性を持たせたと言ったが、本当にそうなのか?チェアマンの言う優位性とは「①勝点、②得失点、が並んだ場合は成績上位チームを勝者とする」というもの。これは1発勝負の準決勝(川崎vs鹿島)では川崎にものをいう。ところが決勝戦は2試合で争われるので、ここに一つ条件が加味されて「①勝点、②得失点、③アウェイゴール、が並んだ場合は成績上位チームを勝者とする」となった。この場合、成績上位チームよりも、2戦目をアウェイでやる方が有利になる。
森氏/1戦目に相手のアウェイゴールを確定することが出来るので、2戦目の戦い方をじっくり考えられるのと、2戦目にアウェイゴールのスコアを動かせるということですね。
ハロさん/鹿島が優勝した日の深夜のスポーツニュースで鹿島の小笠原選手にアナウンサーが「試合開始早々、失点してしまい、追い込まれましたね」の質問に「自分たちは2点取らないと勝てないので、あの1失点が何の意味も持たないことは、全員が分かっていました」と答えていたのが印象的でした。
ラルフ/その通り。2戦目、浦和としては2つの選択肢があったと思う。一つは『この試合もいつも通りのサッカーで勝ちに行く』で、もう一つは『0-0のスコアの時間をできる限り長くする』というもの。結果的に試合開始早々に得点したことで、二つ目の選択肢は消えた。もし浦和が前半にもう1点追加するか、前半のうちに鹿島に追いつかれなければ、浦和が優勝したと思う。何が『ライアーゲーム』かと言えば、先制点を挙げ、トータルスコア2-0にしたにもかかわらず、この時点では、試合開始前よりもなんら鹿島にダメージを与えていないということ。逆に、可能性の選択肢の部分で、自分たちの優位性を一つ消しているというところである。

システムを考える際にも『フェアプレー精神』を!
森氏/このシステムで戦うのであれば浦和が1戦目をホームで戦うべき。
ハロさん/それとも準決勝のように浦和のホームでの一発勝負。
笹橋さん/日程的にも準決勝のあとに中5日空けたので浦和の優位性はなかった。
ラルフ/それに年間勝点2位の川崎を鹿島より成績上位チームとすることも疑問に感じた。鹿島の文化に『2位も最下位も一緒』というのがあると聞くけど頷ける。全チームが優勝を目指して1stステージ、2ndステージを戦っているはずだから、以前のように1st優勝チームと2nd優勝チームでチャンピオンシップを開催すればいい。救済処置を施すなら1st優勝チームと2nd優勝チーム以外に年間勝点1位チームが出た場合。まあ、2016年でこの矛盾は解消するから。
森氏/システムを考える際にも『フェアプレー精神』を忘れないでほしい。
――それでは、誌面スペースも無くなりましたので、このあたりでお開きとさせていただきます。本日はありがとうございました。
(2016年12月7日取材)