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インタビュー!パナソニック ワイルドナイツ CTB 霜村 誠一

2014/04/30

<群馬の誇り、青の載冠 ~圧勝の真実と群馬のラグビー~>
『迷いがある時に「俺ら、やっぱりディフェンスだろう」とみんなで声を掛け合って、そこからチームが生き返りました。“戻れる場所がある”というのが大きかったですね』
パナソニック ワイルドナイツ CTB 霜村 誠一

――ジャパンラグビートップリーグ2013-2014の優勝おめでとうございます(第51回日本ラグビーフットボール選手権大会<3月9日決勝>でも優勝しチーム初の2冠に輝く)。
霜村誠一/3年前にトップリーグで初優勝するまでは、いくら日本選手権で3連覇していても「トップリーグでは勝てない」という厚い壁があり『真の王者』になれませんでした。そういう意味で3年前の優勝は特別な思いがありましたね。「やっと勝てた」という喜びでいっぱいでした。今回の優勝はパナソニック ワイルドナイツとして『本当に強いチームになって勝てた』というひと味違う嬉しさがあります。
――シーズン序盤はキャノンに惜敗しヤマハ発動機には引分けました。苦戦の理由はどこにあったのでしょうか。
霜村誠一/チームが上手く循環していませんでした。やることが明確でなかったですね。そこから新人選手や新加入選手がかみ合ってきて、色々修正して、ぐっと良くなりました。
――2ndステージに入る頃には『別のチームに変貌を遂げた』という印象でした。
霜村誠一/そう思いますが、2ndステージの段階ではまだまだでしたね。太田での東芝戦も、花園ラグビー場での神戸製鋼戦も、あまり良い出来ではありませんでした。接戦をものにできたことに価値はありますが、特に神戸製鋼戦などはプレーオフ進出を決めた直後のリーグ戦ということで少し緩んでしまいました。
――プレーオフトーナメントと日本選手権では試合の後半になって相手を圧勝する強さを見せました。
霜村誠一/負ければ終わりのトーナメントですので、どんな展開になろうが気持ちが緩むことはなかったです。
――2011-2012シーズンと2012-2013シーズンはタイトルを獲ることができませんでした。前の2シーズンと比較して何が変わったのですか。
霜村誠一/『戻れる場所がある』ということだと思います。自分たちの強みをみんなが理解していました。相手のペースになっても「自分たちはどこに戻ればいいのか」と言えば強みである『ディフェンス』なんです。ディフェンスをもう一回整備して闘うことで、相手は何もできなくなって、逆に自分たちがターンオーバーからトライを獲ることができました。何か迷いがある時間帯に「俺ら、やっぱりディフェンスだろう」とみんなで声を掛け合って、そこからチームが生き返りました。『戻れる場所がある』というのが大きかったですね。
――霜村選手は日本ラグビー史に名を残す名選手です。そして『群馬の誇るラグビー界の至宝』でもあります。そこで群馬の少年ラグビーについてお聞きしたいと思います。霜村選手は現在の群馬の少年ラグビーをどのように見ていますか。
霜村誠一/とても力をつけてきていると思います。自分が小学生の時と比べて数段レベルアップしていると感じます。その要因が何かと言えば、やはり指導者の熱さでしょう。それに保護者の方がとても熱心です。子どもたちが頑張れる環境を作ってくれています。現在、群馬県の小学生ラグビー人口は576人ですが、願わくば、もう少し選手数が増えるといいですね。そこにパナソニック ワイルドナイツが少しでも貢献できればと思っています。チームが勝つことでラグビーの認知度は上がるでしょうし、日々行っている普及・ふれあい活動で『親しみ』や『楽しさ』を大勢の人に伝えていきたいと思っています。
――高校生に目を向けても、明和県央高校からは毎年のように高校日本代表候補を輩出しています。2013年度は高崎ラグビークラブ出身の堀越康介選手(桐蔭学園高校)がU20日本代表に、笠原開盛選手(桐蔭学園高校)は高校日本代表に選出されました。2019年ラグビーワールドカップ日本開催がとても楽しみになってきました。
霜村誠一/堀越君も笠原君も素晴らしい選手ですね。5年後が本当に楽しみです。それに現在は全体のレベルがとても高いので代表や代表候補の選考に漏れた中にも素晴らしい選手は大勢います。いい選手の層がとても厚いと感じますので、少年ラグビーで共に闘った二人の活躍を励みに頑張って欲しいですね。自分も高校や大学では無名の選手でした。東京農大第二高校の同期で世代代表を経験した荻原要選手(同志社大学―クボタ)や吉田大樹選手(同志社大学―東芝)に刺激を受けてラグビーに打ち込みました。こんな自分でも地道に努力を続けることで日本代表になることができました。今の高校生や中学生の選手も、その気になれば、きっと才能が花開いて日本代表に選出される日がくると思います。
――最後に霜村選手の将来の夢をお聞かせください。
霜村誠一/現役を引退した後は高校の教員になって生徒たちと花園を目指したいと思っています。明和県央高校の成田仁先生(東京農大第二高校OB)のように、いろいろ学びながら、フットワーク軽く、コーチングを勉強して、今までの経験を伝えていきたいです。もちろん、群馬を離れることはありません。群馬のどこかの高校の教員になって花園で優勝するのが『夢』です。
(2014年3月4日取材*3月10日加筆)

*写真はGスポーツ2014年春号